Web・IT うんたらら

業務系とWeb系の狭間でIT業界を彷徨いながら備忘録と足跡を残していきます

中小企業における社内SEの光と闇

これから就職活動を始める学生の方や、社内SEへの転職を考えておられる方向けに、社会人一年目の身ではありますが、中小企業の社内SEについての理想と現実について、書いてみようと思います。
あくまで私個人の独断と偏見による見解ですので、参考程度にお読みください。


企業形態としては、従業員100名程度の地方の企業です。


まず、よく言われるところのSIerよりマッタリできる」
これは事実だと思います。業務システムの開発に関しては、ベンダー企業に委託するケースもあるでしょうし、私が勤めている会社の場合は自社開発ですが、スケジュールはかなり融通が利くので、納期に追われるなどということはあまりありません。


ただし・・・「開発だけに専念することはできない」
と思ってください。基本的にこの手の企業にはPCに疎い人が多いです。オサーンのみならず、若い人でも「PCとかオタク臭い」なんて思って敬遠している人が未だに居ます。(これは流石にうちだけかもしれませんが……)しかしこのご時世、仕事とPCは切っても切り離せないものですので、そんな人達のためのヘルプデスク業務も兼務することになります。書類の作成などを代わりにやらされる場合も多々あるでしょう。


つまり「ITなんでも屋」
なわけです。プログラムが書けるからと言ってOfficeソフトに精通しているとは限りませんよね。ましてやドローソフトや、業務に使っている専用ソフトなどは尚更ですね。
しかし、そんな常識は通用しません。彼らは社内SEのことをPCのエキスパートだと思っています。そして、我々は社内における自分のポジションを守るために、それらの要望に答えなければなりません。チラシの作成から、ネットワークの配線まで、基本的になんでもこなすことになります。


そして、それらのことは「自分で学ばなければならない」

これも事実です。基本的に少人数(100人規模で1〜3人程度だと思います)なので、そもそも教えてくれる先輩が余り居ません。そして、彼らがあなたの望む知識を知っているとも限りません。知っていても教えてくれないかも知れません。彼らも同じように「自分で学んできた知識」を易々と他人に教えたくはないのです。
わからないこと、できないことはネットや書籍で調べて自分で学ばなければなりません。要求されるスキルの幅は広いと言えるでしょう。


とは言っても、「あまり深い知識を要求されるわけではない」

ことも確かです。所詮デザインではデザイナーに、開発や運用ではベンダーに適いませんし、裏を返せば器用貧乏になりがちでもあります。一つのことに特化するよりも、様々な分野に幅広く対応出来る器用さとコミュニケーション能力が求められます。


あとは……マッタリできることと労働時間は別物だったり、IT技術や電子ガジェット系の話を出来る人が全然居なかったり、他の部署との疎外感を感じたりとやや苦しいはあるものの、少人数であらゆることをやれるので遣り甲斐はありますし、トラブルを解決した時などの感謝の言葉などは嬉しいものです。

統括すると、技術フリークな人よりも「コミュニケーション能力に自身があって、かっこよくPC使いこなしてオサーンや女子社員にちやほやされたいぜ」という人の方が向いていると言えると思います。もちろんそこに至るまでにある程度の努力は必要ですが。

(私としては、他所でもっと技術をつけてからこの仕事に就くべきだったな、と言うのが本音です……。)